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遺言書書き方長崎市

遺言書の書き方

遺言書を作る前に

近年、遺産相続を原因とする、紛争が増加傾向にあります。以前の長男が家を継ぐとする「家督相続」から現在の制度に変わり60年を過ぎ、それぞれが権利を主張するようになったからです。
 誰もが「仲の良いうちの家族に限って」と、思いたいところですが、現実には遺産の大きい小さいに関係なく、遺産相続問題を境に喧嘩になり疎遠になることも珍しい話ではありません。
 残される家族が、仲良く協力し合って、幸せに暮らして欲しいと願う先立つ者の思いと裏腹に、全く違う事態になることほど悲しいことはありません。
 このような問題を解決してくれるのが遺言書です。欧米では一般化している遺言書が、日本でもようやく注目され作成する方が急増しています。
このページでは、遺言書を作成するにあたって必要最小限の知識を短時間にて習得できるように、あえて特殊な事例は割愛し、難しい法律用語は、極力使用していません。必要最小限の法律的基礎知識と遺言書文例をもとに、誰でも簡単に自筆の遺言書を作成できるようにしていますので、まずは御自身で作ってみてはいかがでしょうか。
 ただ、各人の抱える個別の事情などによっては、専門家に直接相談した方が良いケースもございますので、ご不明な点等は、専門家にご相談下さい。

遺言とは

死亡した方の最終の意思表示に法的効力を認めることによって、その思いを実現達成させようとする為の制度です。
 遺言をする行為は、一身専属的な行為で遺言自体の代理は認められていません。
 また、一度した遺言であっても生存中は、いつでも撤回し何度でも変更することが認められており、最後にした遺言が有効と認められます。
 ただ、注意すべき点は、法律で厳格な一定の方式によって行うことが求められている為、その方式に沿ったものではないものや要件を備えていないものは、無効となることもあります。また、文言の書き方によっては、そのこと自体が争いの原因になる場合もありますので、「遺言書を作成するにあたっての注意点」で、確認してください。

遺言のできる人、できない人

 遺言を出来るものは、民法961条で「15歳以上の意思能力を有するもの」となっています。
 よって、一般の方であれば15歳になると誰でも遺言ができるわけですが、ここで問題になるのが、「意思能力を有するもの」の解釈です。
 高齢・病気、その他の事情で事理弁識能力がなかったり、低下している方で、後見人・保佐人・補助人のいる方々は、単独での法律行為が制限されたり守られたりします。このような制度を利用していなくても現状、認知症などで事理弁識能力に問題のある方もいらっしゃいます。
 民法973条では、「成年被後見人も一時的に事理弁識能力を回復したものは意思能力を有する。」としています。したがって、このような方々がする遺言も一定の状態で、医師2名以上の立会いがあれば有効です。
成年後見制度を利用していない方であっても軽い認知症などで後に無効を訴える他の相続人が出てくることが予測される場合には、医師2名の立会いや公正証書にするなどの方法を取っておくことをお勧めします。
 

遺言で、できること

  • ①.推定相続人の廃除・取消し
  • 2.相続分・遺産分割の方法の指定・指定の委託
  • 3.遺産分割の禁止(5年を限度)
  • 4.共同相続人の担保責任の減免・加重
  • 5.遺贈の減殺方法の指定
  • ⑥.遺贈
  • ⑦.財団法人設立の為の寄付行為
  • ⑧.信託の設定
  • ⑨.認知
  • 10.未成年後見人の指定
  • 11.未成年後見監督人の指定
  • 12.遺言執行者の指定・指定の委託
  • ⑬.特別受益の持戻し免除(遺留分算定では考慮されない。)
  • ⑭.祖先の祭祀主宰者の指定
  • ⑮.生命保険金受取人の指定・変更

※上記のうち番号に○の事項は、生前でも可能です。(⑥は、生前にすると贈与になり、税金に要注意)
※逆にその他は、遺言でしかすることができません。
※⑮は、極力生前にして下さい。万一変更前の方が保険金を受け取ったあとは、紛争の元になります。

遺言書の種類・特徴・手続の違い

遺言には大きく普通方式と特別方式があります。
特別方式は、死亡危急時・船舶遭難者・伝染病隔離者・在船者がする特殊な遺言の為、ここでは割愛し普通方式をご説明しますが、死亡危急時遺言は、いざという時に大変助かりますので、こちらをクリックこちらで確認下さい。
 普通方式には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種があります。それぞれに長所と短所がありますが、簡単に説明すると次のようになります。

1.自筆証書遺言

 作成時には費用も掛からず、証人・立会人も不要、何時でも紙とペン・印鑑さえあれば手軽に作れるといった長所があります。その一方で、改ざん・紛失・故意の破棄・方式不備や内容不明で無効になるなどの遺言内容が実現されない可能性があります。また、相続開始後に相続人らは家庭裁判所において検認手続をする必要があり、費用と手間が掛かります。

2.公正証書遺言

 専門家が関与し原本は公証役場に保管され、紛失等の心配もないため、確実な遺言を望まれる方にお勧めの方式です。
また、相続人による検認手続も不要です。
その一方で、作成時に費用が掛かり、相続人などの利害関係者以外の方から証人を2名用意する必要があるという短所があります。

3.秘密証書遺言

 公正証書遺言と比較すると手続・費用ともに負担が少なく、内容を誰にも知られない上、公証役場にて保管される為、紛失のおそれもありません。一方、公正証書と同じく証人2名が必要であったり、家庭裁判所での検認など相続人の負担もあります。また、内容を誰にも知られない代わりに、その内容に公証力がありませんので、記載内容自体が無効になる可能性を否定できません。よって、あまり採用されていない方式です。
 以上のとおり、それぞれに長所と短所がございますので、どの方法で遺言書を作成するかは、違いを良くご理解のうえ判断してください。

家庭裁判所での遺言書の検認が必要!?

遺言書(公正証書遺言を除く。)の発見者または保管者は、家庭裁判所に遺言書の検認の申立をしなければなりません。
遺言書の検認は、家庭裁判所において相続人立会いのもと行われます。
申立には遺言者の出生から死亡までの連続した改正原戸籍・除籍・戸籍とともに相続人全員の戸籍が必要です。もし先に死亡した子がいて孫が相続人になる場合には、先に死亡した子の連続した戸籍等も必要ですし、子がいない相続の場合は、両親・兄弟姉妹・甥姪など相続関係が複雑になり戸籍収集だけでも多くの日数を要するなど、一般の方には負担が重い場合が出てきます。
遺言書を作っても、残された相続人は大変じゃないかと思われる方には、公正証書遺言をお勧めいたします。残された方々の時間と費用の負担が非常に軽減される為、大変喜ばれます。
その代わりに、遺言書作成時に各種資料などを添付し、証人2名を用意するなどの負担を要します。
 

遺言の撤回・変更・訂正

 遺言は、遺言者が生存中であれば、いつでも全部または一部の撤回ができ、その原因や理由は問われません。また、変更なども何度でもできます。
 撤回や変更をする遺言書の種類も問われず、常に作成日の新しい有効な遺言書が優先されます。
 以前に作成した遺言書の全部を撤回する場合は、さほど注意を要しませんが、一部撤回や変更をする場合は、解釈を争われるような表現になっていたりすることがありますので、十分に注意してください。
 また、訂正をする場合は、厳格な訂正方法を法律は求めています。訂正方法に不備があれば、訂正の全部または一部が無効になる場合がありますので、遺言書の間違いに気付き、訂正をしたい場合には、以前の遺言書を破棄し、新たに作成することをお勧めします。
 公正証書遺言の場合は、記載ミスというのは殆んど無いでしょうから、実際には変更後の遺言書か撤回の遺言書を新たに作るという方法になります。公正証書遺言の変更や撤回は、公正証書遺言でしかできないと勘違いする方もいらっしゃいますが、この場合にも形式不備等がなければ、遺言書の種類は問われず、変更・撤回ができます。

自筆証書遺言を作成するにあたっての注意点

遺言書作成にあたり一番重要な注意事項

  • 1 全文、作成日付、氏名は遺言者の自筆ですか?
    他人が手を添えて書いた遺言書は基本的に無効です。
  • 2 押印・割印の漏れはないですか?
      厳格な要式行為ですので、再度確認下さい。
  • 3 解読が困難な文字はありませんか?
  • 4 解釈に紛争の生じる表現はありませんか?
    (例)
    ○「~に相続させる。」「~に遺贈する。」
    ×「~に託す。」「~に委ねる。」
    ×「~に自宅建物を相続させる。」・・・土地は、どうなのでしょう?
  • 5 遺言者が1人でした遺言ですか?
      夫婦など共同で同じ書面にした遺言は無効です。

その他の注意事項

  • 1.意思能力の有無が争われないか?
     高齢または病気等により判断能力が低下傾向にある方の作成した遺言書に対し、利害関係者が遺言書の無効を主張することがあります。
     ご心配の方は、公正証書遺言にすることをお勧めします。公証人が、医師や看護師の意見などを基に作成できるかどうかの判断も致しますので、このことを原因に紛争になることは殆どありません。
  • 2.形式に不備がないか?
     本文・作成日・氏名は、全て自筆である必要があります。代筆やタイプライター・パソコンなどの機器類によって作成したのは、認められません。 
    押印は、実印に限らず三文判でも有効ですが、実印をお持ちの方であれば、実印の方が好ましいでしょう。
    訂正がある場合は、最初から作り直すことをお勧めします。
     また、2枚以上になる場合には、No.1、No.2等ページ数を付け割印を押印してください。
  • 3.遺産・人は、特定できる表示をしているか?
     「遺産の全てを△△の○○に相続させる。」という内容であれば問題はありませんが、遺産ごとに相続または遺贈させる方を特定する場合、特にその種類や人数が多い場合には、誰が読んでも明らかで、その内容が特定できるように明確な表示をして下さい。
    • ① 人の表示は、続柄・住所・氏名・生年月日・本籍などで特定できる表示にする。
    • ② 金融機関の口座であれば支店名・口座種目・口座番号の表記
    • ③ 不動産であれば、登記済証に記載されている不動産の表示どおりに表記
  • 4.遺留分への配慮はしているか?
    遺留分とは、兄弟姉妹・甥姪を除く相続人の最低保障のようなものです。具体的には、配偶者や子・孫・ひ孫などの直径卑属と父母・祖父母などの直系尊属は、その法定相続分の2分の1(直系尊属だけの場合は3分の1)に相当する遺産を請求する権利が保障され、この請求する権利のことを遺留分減殺請求権といいます。
    遺留分を無視して「遺産の全てを○○に相続させる。(遺贈させる。)」とする遺言書が、直ちに無効になるものではありませんが、遺留分権者が、その請求期間内に請求をすると取り戻すことができますので、紛争の火種を残す形の遺言書になるとも言えます。よって、特段の事情がない場合には、遺留分請求権者への配慮をした遺言書にするべきです。
    そのためには、遺産の総額を算出し、遺留分を算出したうえで検討する必要があります。
    逆に、兄弟姉妹・甥姪には遺留分の請求権はありませんので、子や孫・ひ孫もなく、父母・祖父母も死亡しているなどで、兄弟姉妹や甥姪までが相続人になる様な場合には、「配偶者へ全て相続させる旨の遺言書」で全てを遺してあげることができますので、兄弟姉妹や甥姪との遺産を巡る紛争から配偶者を守ってあげることができるのです。

遺言書文例1 基本的な遺言書の文例


遺 言 書

1.遺言者は、遺言者の所有する預貯金、現金及びその他一切の財産を遺言者の長女 長崎花子(本籍 省略 昭和○○年○月○日生)に相続させる。

2.遺言者は、この遺言の執行者として、上記の長崎花子を指定する。
遺言執行者は、他の相続人らの同意を要することなく、単独で、預貯金の名義変更、解約、払い出し等、遺言執行に関する全ての権限を有する。

(遺言執行者を指定してあげた方が、後の手続負担が軽減します。)

3.遺言者は、先祖の祭祀を主宰すべき者として長崎花子を指定する。

付言
 私は、自分が死亡した後に残される妻長崎洋子のその後の生活を最も案じており、子供達の中で最も近隣に住み、何かと世話をしてくれている長女長崎花子へ所有する財産の全てを相続させることが、妻の為にも良いと思い、この遺言書を遺します。

 他の子供たちもこの遺言書に了解し、私の死後も仲良く協力して幸せに暮らしてください。
みんなのお陰で、幸せな人生でした。これまで本当にありがとう。

平成○○年○月○日
長崎市桜町○番○○号   遺言者 長崎太朗      印

遺言書作成理由を付言した方が理解を得られやすい。
しかし、遺留分権者がいる場合は、極力配慮した内容の方が兄弟姉妹間などで嫌な思いをしなくて済みます。


遺言書文例2 遺産に不動産がある場合の文例


遺 言 書

1.遺言者は、遺言者の所有する次の不動産を妻長崎洋子(昭和○○年○月○日生)に相続させる。

① 長崎市桜町2番地
  宅地 255・03㎡

② 同所同番地所在  家屋番号 2番
  木造瓦葺平屋建 居宅 79・08㎡

2.その余の遺言者の所有する預貯金、現金その他財産は、全て長女長崎花子(本籍、生年月日 省略)に相続させる。

3.遺言者は、この遺言の執行者として、長女長崎花子を指定する。遺言執行者は、他の相続人らの同意を要することなく、単独で、不動産の所有権移転登記、預貯金の名義変更、解約、払い出し等、遺言執行に関する全ての権限を有する。

付言(省略)
 

平成○○年○月○日
長崎市桜町○番○○号   遺言者 長崎太朗      印

相続財産の中に不動産が含まれていたり、金融資産が多岐にわたっているような場合の遺言執行者は、意外と大変ですので費用は掛かりますが専門家を指定しておくことをお勧めします。

(例)遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次のものを指定する。
       長崎市桜町○番○号
       行政書士 ○○○○   (昭和○○年○月○日生)
② 遺言者は、前記遺言執行者に対し、この遺言を執行するため、相続人らの同意を要することなく、単独で、遺言者の預貯金、有価証券等の名義変更、解約、払い戻し等の手続きをする権限、その他この遺言を執行するために必要な一切の行為をする権限を付与する。
③ 遺言執行者に対する報酬は、相続開始時の遺言者の有する財産全部の評価額(不動産については固定資産評価額)合計の1%(税別)とする。ただし、当該報酬額が30万円(税別)に満たないときは30万円(税別)とする。


遺言書文例3 万一に備えた予備的遺言の文例


遺 言 書

1.遺言者は、遺言者の所有する預貯金、現金及びその他一切の財産を長女長崎花子(本籍、生年月日 省略)に相続させる。

2.遺言者は、この遺言の執行者として、長女長崎花子を指定する。
遺言執行者は、他の相続人らの同意を要することなく、単独で、預貯金の名義変更、解約、払い出し等、遺言執行に関する全ての権限を有する。

3.予備的遺言として、長崎花子が遺言者と同時もしくは遺言者より先に死亡したときは、遺言者の所有する預貯金、現金及びその他一切の財産を次女長崎浩子(本籍、生年月日 省略)に相続させる。

4.予備的遺言が効力を生じたときは、この遺言の遺言執行者として、長崎浩子を指定する。

付言(省略)

平成○○年○月○日
長崎市桜町○番○○号   遺言者 長崎太朗      印

死亡の順番が逆になった時に備えたい場合です。
配偶者や兄弟姉妹など比較的年齢の近い人に相続させる遺言書の場合は、念のために記載することをお勧めします。


遺言書文例4 1人に全遺産を相続させ代償金で調整する文例


遺 言 書

1.遺言者は、遺言者の所有する不動産、預貯金、現金及びその他一切の財産を長女長崎花子(本籍、生年月日 省略)に相続させる。

2.長崎花子は、全ての財産を相続する負担として、二女長崎浩子(本籍、生年月日 省略)に対して金五百万円を支払うこと。

3.遺言者は、この遺言の執行者として、長女長崎花子を指定する。遺言執行者は、他の相続人らの同意を要することなく、単独で、不動産の所有権移転登記、預貯金の名義変更、解約、払い出し等、遺言執行に関する全ての権限を有する。

付言(省略)

平成○○年○月○日
長崎市桜町○番○○号  遺言者 長崎太朗      印

1人に全てを相続させ代償金で調整する例です。
遺留分に配慮して検討してみてください。


遺言書文例5 遺産の分割方法を誰かに託す文例


遺 言 書

1.遺言者は、遺言者の所有する全ての財産の遺産分割方法の指定を次のものに委託する。

2.熊本市桜町12番3号  ○○○○ 昭和○○年○月○日生

3.遺言者は、この遺言の執行者として、○○○○を指定する。遺言執行者は、相続人らの同意を要することなく、単独で、不動産の所有権移転登記、預貯金の名義変更、解約、払い出し等、遺言執行に関する全ての権限を有する。

付言(省略)

平成○○年○月○日
長崎市桜町○番○○号   遺言者 長崎太朗      印

2.の分割方法を指定するもの(受託者)は、相続に関係のない者(相続人とその親族等はなれません。)でなければなれません。
遺言書に特別の定めがない限り指定者は自由に指定できるが、法定相続分に従わなければならないと解されています。


遺言書文例6 遺贈、負担付遺贈をする文例


遺 言 書

1.遺言者は、次の財産を長崎市桜町○○番○号 遺言者の長男の嫁 長崎良子(昭和○○年○月○日生)に遺贈する。ただし、受遺者長崎良子は、遺言者の妻長崎洋子に対し同人が生存中、その生活費として月額金10万円を毎月末日までに持参または送金して支払い、同人の介護その他身の回りの世話などをすること。
   遺贈する財産の表示(省略)

(負担付遺贈をする例)

2.遺言者は、遺言者の所有する預貯金の中から金500万円を長崎市寺町○番地の○○寺に遺贈する。
(特定の団体等に遺贈する例)

3.遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次のものを指定する。
       長崎市桜町○番○号
       行政書士 ○○○○   (昭和○○年○月○日生)
② 遺言者は、前記遺言執行者に対し、この遺言を執行するため、相続人らの同意を要することなく、単独で、遺言者の預貯金、有価証券等の名義変更、解約、払い戻し等の手続きをする権限、その他この遺言を執行するために必要な一切の行為をする権限を付与する。
③ 遺言執行者に対する報酬は、相続開始時の遺言者の有する財産全部の評価額(不動産については固定資産評価額)合計の1%(税別)とする。ただし、当該報酬額が30万円(税別)に満たないときは30万円(税別)とする。

遺贈する場合は、専門家を遺言執行者に指定するほうが安心です。
付言(省略)

平成○○年○月○日
長崎市桜町○番○○号   遺言者 長崎太朗      印


遺言書作成後、再度確認して下さい。

  • 1 全文、作成日付、氏名は遺言者の自筆ですか?
    他人が手を添えて書いた遺言書は基本的に無効です。
  • 2 押印・割印の漏れはないですか?
      厳格な要式行為ですので、再度確認下さい。
  • 3 解読が困難な文字はありませんか?
  • 4 解釈に紛争の生じる表現はありませんか?
    (例)
    ○「~に相続させる。」「~に遺贈する。」
    ×「~に託す。」「~に委ねる。」
    ×「~に自宅建物を相続させる。」・・・土地は、どうなのでしょう?
  • 5 遺言者が1人でした遺言ですか?
      夫婦など共同で同じ書面にした遺言は無効です。
  • 6 意思能力の有無が争われないか?
     高齢または病気等により判断能力が低下傾向にある方の作成した遺言書に対し、利害関係者が遺言書の無効を主張することがあります。
     ご心配の方は、公正証書遺言にすることをお勧めします。公証人が、医師や看護師の意見などを基に作成できるかどうかの判断も致しますので、このことを原因に紛争になることは殆どありません。
  • 7 形式に不備がないか?
     本文・作成日・氏名は、全て自筆である必要があります。代筆やタイプライター・パソコンなどの機器類によって作成したのは、認められません。 
    押印は、実印に限らず三文判でも有効ですが、実印をお持ちの方であれば、実印の方が好ましいでしょう。
    訂正がある場合は、最初から作り直すことをお勧めします。
     また、2枚以上になる場合には、No.1、No.2等ページ数を付け割印を押印してください。
  • 8 遺産・人は、特定できる表示をしているか?
     「遺産の全てを△△の○○に相続させる。」という内容であれば問題はありませんが、遺産ごとに相続または遺贈させる方を特定する場合、特にその種類や人数が多い場合には、誰が読んでも明らかで、その内容が特定できるように明確な表示をして下さい。
    • ① 人の表示は、続柄・住所・氏名・生年月日・本籍などで特定できる表示にする。
    • ② 金融機関の口座であれば支店名・口座種目・口座番号の表記
    • ③ 不動産であれば、登記済証に記載されている不動産の表示どおりに表記
  • 9 遺留分への配慮はしているか?
    遺留分とは、兄弟姉妹・甥姪を除く相続人の最低保障のようなものです。具体的には、配偶者や子・孫・ひ孫などの直径卑属と父母・祖父母などの直系尊属は、その法定相続分の2分の1(直系尊属だけの場合は3分の1)に相当する遺産を請求する権利が保障され、この請求する権利のことを遺留分減殺請求権といいます。
    遺留分を無視して「遺産の全てを○○に相続させる。(遺贈させる。)」とする遺言書が、直ちに無効になるものではありませんが、遺留分権者が、その請求期間内に請求をすると取り戻すことができますので、紛争の火種を残す形の遺言書になるとも言えます。よって、特段の事情がない場合には、遺留分請求権者への配慮をした遺言書にするべきです。
    そのためには、遺産の総額を算出し、遺留分を算出したうえで検討する必要があります。
    逆に、兄弟姉妹・甥姪には遺留分の請求権はありませんので、子や孫・ひ孫もなく、父母・祖父母も死亡しているなどで、兄弟姉妹や甥姪までが相続人になる様な場合には、「配偶者へ全て相続させる旨の遺言書」で全てを遺してあげることができますので、兄弟姉妹や甥姪との遺産を巡る紛争から配偶者を守ってあげることができるのです。

専門家の添削の勧め

  • 相続紛争を未然に防ぐ遺言書のはずが、その内容によっては遺言書自体が紛争の原因になることもしばしばです。
  • 円満な相続を実現する遺言書にするには、寄与分・特別受益・相続税と納税対策・祭祀承継問題など細かな部分に配慮して作成する必要がありますので、なるべく専門家に添削してもらってください。

当事務所では、10,000円(税別)で
添削サービスを行っております。

おわりに

 テレビの法律番組が高視聴率を獲得し、欧米のように訴訟などの争いが増える傾向にある今の日本ですが、未然に防げるものは防ぎたい。特に、親族間の紛争だけは、増えて欲しくないと思います。
 行政書士という我々の業務は、紛争時の相談や訴訟代理などの弁護士業務と違い、争いを未然に防ぐ「予防法務」が中心です。各種契約書・示談書・合意書作成などとともに、将来の紛争予防を目的とし国民の権利を擁護する業務の中で、遺言書の作成や相続手続きに関する相談は、非常に多い業務でもあります。
 自筆証書遺言であれば、特別なものを除きこのページを参考に作成して頂けるとものと思います。
 特殊な事案や、より確実でその後の手続が簡単な公正証書遺言の作成を検討される場合には、専門家にご相談下さい。
遺言書の作成によって皆様の最後の思いを実現し、残された方々の円満な親族関係が、末永く続くことを心よりお祈り致しますと共に、少しでもその手助けになれば幸いです。



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